学習パラメータ
ディープラーニングフレームワークには、学習プロセスを制御するために使用できる一般的なパラメータとして、すべてのモードの [エポック数]、フォーカスモードの [キャパシティ] (アンスーパーバイズドモードの解析 (赤) ツールのみ)、および高詳細モードの [最小エポック]、[ペイシェンスエポック]、[検証セット比]、[クラスの重み]、[パッチサイズ]、[ストライド] があります。
エポック数
[エポック数] パラメータを使用すると、実施するネットワーク調整の度合いを制御することができます。「ニューラルネットワークの学習」のトピックで説明したように、学習プロセスでは、ネットワークを通して入力サンプルを繰り返し処理して、ネットワークの結果をユーザが提供するラベル付けと比較し、エラーを減らす目的でネットワークの重みを調整します。ネットワークノード (重み) が多数存在するため、このプロセスはほとんど無限に繰り返すことができ、繰り返す内に、わずかながら徐々にエラーを改善することができます。[エポック数] パラメータ設定を上げると、実施される学習の繰り返し回数が増えます。これによって、学習に要する時間は長くなりますが、学習画像のネットワークエラーを減らすことができます。
ただし、ネットワークに学習させる目的は、学習に使用される画像だけでなく、すべての画像で正確に実施することなので注意してください。エポック数を上げると、ネットワークはオーバーフィットする傾向があり、未学習画像におけるエラーが増え、学習された画像におけるエラーは減ります。このために、エポック数を調整しながら、すべての画像におけるネットワークパフォーマンスを注意深くモニタする必要があります。最適値はデータセット、特にデータセットの統計的多様性によって異なるため、データセットに最適なエポック数を選択する必要があります。
能力
アンスーパーバイズドモードの解析 (赤) ツールには、[キャパシティ] パラメータもあります。一般的に、ニューラルネットワークの能力は、ネットワークがエンコードできる (学習できる) 情報量の尺度です。位置決め (青) ツール、読み取り (青) ツール、分類 (緑) ツール、および解析 (赤) ツール (スーパーバイズドモード) は個々のサンプルを学習済みネットワークを通して処理するため、ディープラーニングネットワークアーキテクチャが最適化されています。アンスーパーバイズドモードの解析 (赤) ツールでは別のネットワークアーキテクチャを使用しているため、画像全体の未学習の欠陥を検出することができます。非常に複雑な画像の場合、ツールはアンダーフィットする場合があり、あまり複雑でない画像の場合、ツールはオーバーフィットする場合があります。そのため、適切なネットワークの能力を選択することで、特定の画像セットに対するツールの応答を最適化することができます。
最小エポック
検証セットを設定すると、高詳細モードで少ないエポック数から作成されたモデルを最終モデルとして選択してオーバーフィッティングを防止できます。最小エポックを設定した場合、高詳細モードで、このエポック以降に作成されたモデルが最終モデルとして選択されます。
学習セットで良好な処理結果が得られるが、テストセットで良好な処理結果が得られない場合は、オーバーフィッティングが考えられます。ただし、学習セットとテストセットの両方で良好な処理結果が得られない場合は、アンダーフィッティングが考えられます。この場合は、最小エポックを高くするようにお勧めします。
ペイシェンスエポック
エポックが一定回数 (1/8 エポック) 行われるたびに、高詳細モードではモデルの損失値が測定されます。N (ペイシェンスエポックの値) エポックで損失値の低下が確認されなかった場合、高詳細モードの学習が停止し、エポック数までの損失値が最小であるモデルが選択されます。損失値が一定時間にわたって低下しない限り、学習プロセスを継続する必要性がない場合にペイシェンスエポック値を利用して早期にプロセスを停止できます。
検証セット比
学習セットのうち、検証セットとして使用されるビュー数の割合です。学習セットの数を維持したまま検証セット比を高くすると、学習に使用されるデータ量は少なくなります。そのため、検証セット比を高く設定した場合、少ない学習セットを使用するのでパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
一方、低すぎる検証セット比は、見えないデータセットに適したモデルを選択するのに役立ちません。
クラスの重み
クラスの重みは、各クラスにさまざまなバッチサンプリングを適用するために使用されます。
クラス (タグ) ごとのビュー数に不均衡がある場合は、クラスの重みを使用して重みを各クラスに適用して学習できます。例えば、クラス 1 とクラス 2 の比率が 2:1 である場合、クラス 1 の学習画像の数はクラス 2 の 2 倍になります。
クラスの重みを設定するには、[ツールのパラメータ] パネルのクラスの重みのハイパーリンクテキストをクリックし、[クラスの重み] ダイアログを開きます。リストで重みのセルをダブルクリックすると、クラスの重みを編集できます。ここに小数を入力することはできません。入力できるのは自然数だけです。
パッチサイズ
パッチサイズは、各ビューをいくつかのまとまりに分ける正方形のサイズです。各ビューの学習 (特徴の検出) と処理は、これらのまとまりごとに実行されます。一般的に、学習の収束速度に関しては、パッチサイズを小さくすると、微小なブロブを検出するのに適し、パッチサイズを大きくすると、顕著で大きいブロブを検出するのに適しています。
ストライド
ストライドは、パッチを使用してビューから特徴を抽出するときのパッチのストライドの比率です。
-
パッチの幅方向のピクセルストライド = パッチ幅 x ストライド
-
パッチの高さ方向のピクセルストライド = パッチの高さ x ストライド
例えば、パッチのサイズが 128x128 で、ストライドが 25% の場合、このパッチの幅方向のストライドと高さ方向のストライドのステップは 32 (128x0.25) です。
一般的に、ストライドが小さいほど、画像の詳細を検出するのに優れているので、ネットワークモデルの精度は向上しますが、特定のエポック値における学習速度が低下します。